忘れない



 きみのすべてを

 忘れない



 はにかんだ笑顔も

 怒った顔も

 そして

 最後に見た泣き顔も



 忘れない



 この手の中を

 きみは

 すり抜けていってしまったけれど



 僕は

 あの幼い恋を

 忘れない



 涙をぬぐうことのできなかった

 僕の弱さ

 
 
 苦さと、甘さとともに

 思い出すんだ



 硝子のように

 壊れやすかった日々を



 はかないゆえに

 きらきらと輝いてた



 今のきみを思い浮かべることが

 できないけれど



 あの頃のきみを



 僕は忘れない