この薄紅の花びらが

 風に舞う季節



 胸の奥から

 切ないような気持ちが

 生まれてきて



 記憶のかけら達が

 手のひらに落ちてくる



 ねぇ?

 憶えていてくれますか?



 あの日

 涙とともに

 ずっと忘れないと誓い合った

 遠い日のことを



 わすれないで

 憶えていてくれますか?



 あの切なく

 きらきらと硝子のように

 輝いていた日々のことを



 桜の

 薄紅色の幻の中



 私は

 一瞬

 過ぎ去り日



 記憶の奥底の

 あなたに出会った



 懐かしさと切なさで

 頬を一滴の涙が零れ落ちた