「そうなの!?」
「でもあの人なら納得できるよね…」
阿紗子は納得してしまったらしい。
「でもなんで“人狩り競争”なのよ。」
「説明しよう。」
気付けば戸田がいた。
一体何処から沸いて出て来たのだろうか。
「“借り人競争”よりも“人狩り競争”の方がスリルがあるからだ。
サバイバルゲームみたいで盛り上がるだろ?」
だろ?と言われても正直困るのだが、そうですね、真剣勝負になりそうですね、と言うほかなかった。
それから戸田は準備があるといって何処かに行ってしまった。
「にしても物騒な名前だよな。」
戸田が見えなくなると同時に里田君は言った。
あたしと阿紗子の首が縦に動いた。
「きっとお題の中に『戸田先生』っていうのが入ってるんだよ。」
「それ引きたくないね。」
「ってか引いたら棄権だろ。」
不安な要素を含んだ行事が幕を開けようとしていた。