「気にするなよ。」
「でも…」
「俺の方こそ、嫌な思いさせてごめんな?」
「真幸は悪くないよ。」
「そっか。」
気付けばあたしの家の前に着いていた。
真幸が言ってる事は正しく、あたしもそれに納得したのだが、いざお別れしないといけないと思うとやっぱり淋しい。
このまま一緒にいれたら本当に幸せだっただろう。
みやびちゃんを恨んだりはしているわけではないが、離れたくない気持ちがあたしの心の奥で小さく主張した。
だが真幸は、あたしの手を離してしまった。
「近いうちに絶対何処か行こうな!」
「うん。」
「じゃあな。」
真幸はあたしの頬にキスして、間もなくいなくなってしまった。
あたしは鍵を取り出して家の中に入っていった。



