あたしはお姉ちゃんの食パンもトースターに入れてから、自分が食べる分のパンにバターを塗り始めた。 「今日から教育実習だよね?」 「そうだよ。」 「頑張れ。」 「うん。 ありがとう。」 短く返事し、食パンを口に運んだ。 今日からだ。 教師になるという夢に一歩ずつ近付いているような気がした。 そう思うと、何だかドキドキした。 それから身支度を始め、予定よりも早く家を出た。 鞄をしっかり握り、あたしは足を進めた。