「妃奈ちゃんは私と違って忙しいもんね。」


「忙しいっていっても、教育実習だけどね。
みやびちゃんは忙しくないの?」


「皆みたいに就活で忙しいっていうのはまだ。
それで家出たわけだし。
お稽古とかはあるけど。
そういえば妃奈ちゃん、学校の先生になりたいって言ってたよね?
中学の先生?」


「ううん、高校。
だからあたし達の母校行ってるよ。」


「そうなんだ。
担当の先生誰?」





やはりその話題になってしまったか。


あたしは心の中が少し詰まった。


「総合担当みたいなのが体育の戸田で、」


「えぇ!
妃奈ちゃん可哀相!」


「教科担当っていうのかな?
授業聞いたりするのが…北条先生。」


「え?」


みやびちゃんは時が止まったかのように動かなくなった。