確かに近い。
あの頃は誰も近づかなかった、廊下の奥にある。
でも、ここで告白なのかと、一瞬悩んだ。
「最近は割とこまめに掃除してあるから、埃で苦しいとかはないはず。」
こまめとは、如何程なのだろうか。
しかも、はずってどういう事だろう。
あんまり質問するのもどうかと思うから、もう何も言わないでおこうとは思う。
しかし、不安は残る。
あの埃塗れの、大掃除以外は開けられる事のないあの扉…高校二年の夏に開いた事を思い出した。
あの恐ろしい小部屋に、まさか二度も入る事になろうとは。
「…分かりました。」
あたしは北条先生を信じて、彼の後ろを歩く事にした。



