どれくらい時間がかかったは分からないが、真幸は最後まであたしの話を聞いてくれた。


「あたしさ、教師向いてないのかな?」


「俺は、妃奈は教師に向いてると思うけどな。」


「本当に?」


「あぁ。
妃奈はその友達の為に悩んでるんだろ?
なら先生になっても、生徒と一緒に考えたり悩んだり出来る素敵な先生になれるんじゃね?」


真幸はあたしを慰めるのが本当に上手い。


あんなにウジウジとしていた自分はもういない。


「ありがとう、真幸。
すっごく元気出てきた。」


「どういたしまして。
妃奈は元気が一番だな。
…俺も明日頑張ろう!」


「ごめんね、あたしの話ばっかりして。」


「全然いいよ。
今日も妃奈が健康に一日を過ごせたって確認出来たから。
じゃあお休み。」


「お休み。」


あたしは電話を切った。


やっぱり真幸はあたしを支えてくれる存在だ。


あたしはそう自覚した。


「真幸、好きだよ。」


待受画面に写る真幸を見て、あたしはそう呟いた。