彼は村田真幸、大学の同級生であり、あたしの恋人である。


理学部で物理を学んでいる。


根っからの文系であるあたしには、真幸か勉強してる内容は難しくてよく分からない。


が、彼が話してくれる物理の話は面白いし、何よりそれを話す時の彼はとても楽しそうだった。


あたしはバイト先で彼に出会った。


楽しそうな姿、懸命な姿、偶に失敗する姿…どんな彼の姿にも刺激され、惹かれていった。


告白したのは真幸だった。


幸いにも同じ大学に通っている為、付き合ってからもあたしは彼と多くの時間を共有出来た。


ただ今は就職活動の時期である。


忙しくなったあたし達にとって、こうやって二人でデート出来る時間は出会った頃よりも貴重なものだし、より一層互いを愛しく思えた。


あたしは彼が大好きだった。


彼もあたしが大好きだった。