本来ならもう行かなくてもいいかもしれない。


今日は第二応接室で集まって、担当の先生に挨拶したりして終わるはずだからだ。


でも、行かなきゃ。


あたしは職員室に入る。


真っ直ぐに、彼の元へと進んだ。


「北条先生!」


「どうした?
もしかして、もう第二応接室に皆集まったのか?」


「いえ、違います。」


脈が体を強く打っているのを全身で感じた。


緊張してるせいか、背中に一筋の汗が流れた。


「今日…お時間ありますか?」


あたしの体はまだ強張っている。


脚が震えそうだ。


「それは…滝沢達が解散してからか?」


「何時でも構わないんですけど…人前ではちょっと言いにくいので…。
あの、もしお忙しかったら…」


緊張しすぎて何言ってるか分からなくなってきた。