北条先生が教卓の前に立った。
あたしは黒板の端っこぐらいに立つ。
あたしは教室を見渡した。
欠席者はいない。
三週間見続けた教室と、あまり変わっていない。
皆があたしを受け入れてくれた事と、ここの一員と北条先生が思ってくれた事の幸せを噛みしめた。
「ホームルーム始めるぞ。」
北条先生の声が教室内に響き渡る。
「まずは、来週の連絡だ。」
北条先生は普段通りにホームルームを進めた。
あたしは黙って聞いていた。
あたしが高校生だった頃もこんなのあったな。
そんな懐かしさに浸っていられるのも束の間である。
「じゃあ、最後に滝沢に挨拶してもらおうか。」
皆が手を叩いてる。
北条先生が教卓から退いた。
あたしはそちらまで歩いた。