帰宅したあたしはまたベッドにダイビングしていた。


電気が付いていないその部屋は暗かった。


あたしは一人溜め息をついた。


大切な友人の相談にまともにのれなかったあたしって、教師に向いていないのだろうか?


そう思うと、虚しさと情けなさが胸を締め付ける。


「どうしたらいいのかな…」


あたしは携帯電話を鞄から取り出し、着信履歴を見た。


殆どが『村田 真幸』である。


あたしは真幸に電話をかけようとした。


今の気持ちや状況を真幸に話せたらどれだけ楽になれるだろうか、そう思うと左手の親指がボタンを押そうとそこまで行く。


刹那、携帯電話の画面が変わった。


着信音が部屋に鳴り響くと共に、11桁の番号と恋人の名前がそこに表示された。


あたしは直ぐさま電話に出た。


「真幸?」


「まぁ俺だけど、何かあった?」


「うん。
だから今、あたしも真幸に電話しようかなって思ってた。
聞いて貰っていいかな?」


「当たり前だろ?
そんなの一々確認しなくても、俺は妃奈の彼氏なんだから。
それで、どうしたの?」


「あのね…」


あたしは今日の事を話した。