「おはよう。」


「太一!」


「早いだろ?」


最終日に先を越されたようだ。


それがどうしたという事はないが、里田君がここにいるなんて考えもしなかったので、拍子が抜けてしまった。


「どうしたの?」


阿紗子が質問する。


「最終日だから早く来てみた。」


「阿紗子と同じ理由だね。」


人間は皆同じような事を考えるのだろうか。


彼女達が恋人同士だからかもしれないが。


後者だとしたら、とても微笑ましい。


あたしはそうであってほしいと思った。