「ごめん!
…この前からずっと言いたくてさ。
ほら、最後に会った時に言えなかったから。」


確かに、そんな会話してない。


「俺が言いたかったとかはどうでもいいけど、宜しくな。」


「うん。
あたしが落ち着いたら、一度連絡するね。」


「頼んだぞ。
じゃあな。
変な時間に電話して本当に悪かった!」


「ううん。
聞けてスッキリした。
おやすみ…かな?」


「俺もスッキリした。
俺はとりあえず、寝るよ。
妃奈は?」


「あたしはもう起きとく。」


「じゃあ、おはようだな。
実習ラストファイト!」


「ありがとう。
…おやすみ。」


「またな。」


右耳から声が消えた。


良かった。


あたしは胸を撫で下ろす。


真幸から真実を聞けて、そして嫌われていないと分かって、本当に良かった。


あたしは鞄の中に携帯電話を入れ、立ち上がった。


もうお風呂に入っても構わない時間だろう。


あたしは必要な物を持って、また部屋を出たのであった。