「お礼なら、皆に言ってくれ。」


北条先生はいつもより優しい口調で言った。


「量も多いし、ここで読まなくてもいい。
あんまり帰るのが遅くなると危ないしな。
でも、出来れば明日、学校に来るまでには読んできてほしい。
読んでから、皆に会ってほしいんだ。」


「…はい!」


あたしは少しの間、学校でそれを読んだ。


沢山書いてくれた子は、ルーズリーフにも書いてホッチキスを留めていた。


ある程度読んでから、あたしは職員室を出た。


今日のレポートを書いて、提出すると、あたしは急いで家に帰った。


電車の中でも読んだ。


おかげで家に帰るまでには半分以上を読み終えていた。


それからあたしは、晩御飯も食べずに読み続けた。


一文字一文字が、全てあたしの中に吸収されていく。


とても嬉しかった。


それ以外の言葉が浮かばなかった。