それからあたしは職員室に戻った。
「遅くなりました。」
「全然そんな事なかったぞ。
それより滝沢、さっきはごめんな。」
「さっき?」
「余計な事を言っちまったみたいで。」
「いえ。」
真幸の事だ。
「実は…別れたんです。」
「そうだったのか…
本当にごめん。」
「いいんです。
フったのはこっちですし。」
やっと言えた。
これが正直な感想だった。
安心して、疲れが出たぐらいだった。
「そうか。」
北条先生は何ともないようにそう言った。
それからは何も聞かれなかった。
あたしは先程残していた小テストの丸つけを再開した。
残っているのがまた結構な量だった。



