それから阿紗子は今までの経緯を話してくれた。


阿紗子と里田君は、大学二年の時に別れたらしい。


忙しさでなかなか会えず、価値観のズレを感じていた二人はとうとう『別れ』に手をつけた。


だが、その後二人は友達になったのだ。


メールや電話もするし、一緒にご飯食べたり、他の友達も交えて遊ぶ事もよくしたそうだ。


実際、阿紗子にとってはその方が良かったらしい。


科目は違うが、教師になりたいという共通の夢があり、相談しあうことも出来た。


お互い尊敬しあえる部分があり、友達として支え合えた。


でも…


「今日ね…もう一回付き合おうって言われた。」


阿紗子は本当にどうしたらいいか分からないらしい。


「何回も言うように、もう本当に友達なんだよね。
だからさ、友達としても人としても好きだよ?
でも、前みたいに恋愛感情持てる自信ないの。」