「本当にお疲れ様。」


「いえ。
ありがとうございました。」


たった今、授業が終わった。


あたしが実習期間中にやる最後の授業だった。


「これでもう大丈夫だな。」


「何がですか?」


「滝沢が教師になっても、ずっとやっていけそうだなって事だ。」


「ありがとうございます。」


あたしは安心した。


ずっと不安ばかりが募っていたけど、今日はその言葉を素直に受け入れ、嬉しいと思えた。


一つの事を成し遂げられたからかもしれない。


それに、夢に何歩か近付けた気もする。


あたしは心から笑えた。


「そういえばさ…」


「はい。」