「それでさ、どうしたの?」


阿紗子がわざわざ待ってくれてたんだ。


単純に友人であるあたしを待っててくれた可能性は十分にあるが、彼女の顔は空みたいだった。


希望が無いわけじゃない、でも暗い部分もある。


「ちょっと、相談したい事があって。
もう遅いし、夜ご飯一緒に食べて貰ってもいい?
その時に話すから。」


「勿論いいよ!
駅の近くにパスタのお店あるけど、そこ行く?」


「そうしよ!」


あたしは晩御飯が要らない事を伝えるメールを親にし、二人でパスタを食べに向かった。


店に着く頃には月と幾つかの星が空に点在していた。


時間が時間だからだろうか、店内は人が多い。


幸いにも、あまり待たずに禁煙席が取れた。


それぞれ注文すると、暫くしてテーブルに来た温かいパスタがあたし達に空腹を感じさせた。


あたし達はフォークを手に取り食べ始めた。


半分半分食べるか食べ終わらないかぐらいで、阿紗子が話を始めた。


「里田君のことなんだけど。」