ロッカーを開け、必要なものだけを取り出し、ロッカーを閉める。


なるべく手早くやった。


「馬場ちゃん!」


どうも今の労力は無駄だったらしい。


「…何?」


「えっと…その…」


いつもの饒舌は何処に置いてきたのだろうか。


今日はなかなか話し出さない。


あたしは少し待ってみる事にした。


「今日の放課後、時間ある?
…どうしても言いたい事っていうか、言わないといけない事があって。」


「それは…」


「お願い!
今日駄目なら近いうちでいいし、俺と喋るの最後でいいから。」


「…」


いつもと明らかに様子が違っていた。


「いいよ。」


何があったかは知らない。


でも、何だか聞かないといけない気がした。