「ごめん。」


「いいよ。」


「阿紗子は悪くないからね。」


「それ、世間で通らないよ。」


「世間で通らなくても、あたしには通るの。」


「分かったよ…」


阿紗子は目を閉じた。


あたしも目を閉じる。


「何にしてもね、あたしは妃奈と北条先生はお似合いだと思うの。
だから妃奈には躊躇わずに告白してほしいの。」


「躊躇わずって…」


「多少躊躇った方がかわいいかもしれないね。」


「そうじゃなくって、」


「冗談。」


阿紗子はあたしの頭に手をのせる。


「告白の台詞に困ってるなら、あたしより未来に相談した方がいいよ。」


「…そうかもね。」


「でも、未来が何て言うか想像つくな。」