でもきっと、滝沢は本心からそう言ってくれてるに違いない。 また嬉しくなる。 やっぱり昔みたいだ。 昔に感じた温かみを感じた。 実際はそんなものないだろう。 時間は過ぎて状況は変わったのだ。 変わってしまった今、あの温かみはもう生まれない。 でも、そう感じられた事を大切にしたいと思った。 そんな中、アナウンスが入る。 電車が動き出しそうなのだ。 安堵と共に寂しさを覚える。 細やかな、でも大きな幸せが終わる。 もう話す事も思い付かない俺は何も話さなかった。