「今日はもう帰っていいぞ。」
北条先生は唐突にそういった。
「いいんですか?」
「ああ。
今日は疲れただろ?
準備してた日数も入れたらもっと。」
そう言われて、疲れがどっと押し寄せてきた。
それでも帰りたくなかった。
まだ残っていたい。
「お気持ちはありがたいのですが、今日もお手伝いしていいですか?」
「無理するな。」
「無理してないです。」
「滝沢…」
無意識だろうか、北条先生はこっちをじっと見ている。
授業をしていた時のように、心臓が速くなる。
そして、あたしはその視線から逃れられないでいた。



