「お疲れ!」


「北条先生こそ。」


「俺は楽だったぞ。
なんせ授業受けてただけだし。」


確かにそうだ。


今日授業やってたのは主にあたしであり、北条先生は生徒に混じってあたしの話を聞いていた。


幸か不幸か、今日は何故か何処かのクラスに行く度に一人欠席していた。


北条先生は欠席者の席に座って、まるで生徒のように授業を受けてたのだ。


しかも凄く馴染んでいた。


20代後半のくせに、老けた高校生よりかは若く見えるのだ。


信じられないが、それを目の当たりにしたあたしは受け入れるしかない。


だが、そんな事思ってられたのも午前中のみだ。


精神疲労からそんなのどうでもよくなった。


そのせいで北条先生が本気で生徒に見えた。


午後の授業の終わり、あたしは北条先生を探したぐらいだ。


まさか一番前の真ん中に座っているとは思いもよらず。