「うん。
どうしたの?」


「えっと…近々会えないかな?」


「近々…
明日の夜でいいなら会えるけど…」


語尾が曖昧だった。


「あ、無理ならいいの。
ごめんね、急に言い出して。」


「否、逆に明日の夜以外は暫く忙しいんだ。
妃奈の都合が良いならそうしよう。」


「ありがとう…」


有難い事だった。


先延ばしにしてはいけない事だ。


だからこんなに早く話せるのは良い事だ。


でも素直に喜べない自分がいた。


心の何処かで、断ってほしいと思っていた事にあたしは気付いた。


「妃奈?」


「ん?」


「体調大丈夫?」


「大丈夫だよ。」


「良かった。
じゃあ、明日ね。
何処で待ち合わせしようか?」