そんな何処か穴を穿たれたようなまま、放課後になろうとしていた。
今日は土曜日で、授業が午前までだったのにも関わらず、授業が終わるまでがとても長かった。
今日一日、あたし以外には何も変化がないように思われた。
生徒の様子も、北条先生の態度も何も変わらない。
だがしかし、それが色褪せて見える。
あたしだけが違う世界に放り出されたかのようだ。
「滝沢?」
あたしは我に返る。
「はい!」
「その…大丈夫か?」
北条先生は気付いているのだろうか。
「はい。
すいません。」
あたしの今の気持ちに。
「否、いいんだ。
そんな時もあるよな。」
そう言って、北条先生は教室のドアを開いた。
今からはホームルームだった。



