あたしは真幸君に本当に感謝している。
昴の面影から離れなかった妃奈を、無理矢理かもしれないが前に導いてくれた。
真幸君なら妃奈を幸せにしてくれるのではないかと思っていたが…
「やっぱり彼奴なんだね。」
あたしはそっとドアを閉めた。
やはり心配になる。
妃奈がまた彼奴のせいで傷付いたら、と。
止めたい気持ちが独りで走り出しそうになる。
駄目だ。
あたしは自分の部屋に向かった。
部屋に入り、音を発ててドアを閉め、鍵もかけた。
ドアに背を預けて立ち尽くす。
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