馬場さんは凄く嬉しそうに、幸せそうに笑った。


さっきあたしと話していた時も笑っていたが、また違うタイプの笑顔だ。


もしかして馬場さん…


「じゃああたし、もう帰らないといけないんで、さようなら。」


馬場さんはそう言うと歩いて行った。


「里田、山野。」


今喋らずにいた二人に彼は声をかけた。


「朝は話せなかったけど、元気だったか?」


「はい。」


2人はほぼ同時に答えた。


「なら良かった。」


彼は満足そうであった。


「今日は初めてで疲れただろう?」


「もうガチで疲れました!」


「だろうな。
明日からも頑張れよ!」


里田君は労いの言葉を待っていたに違いない。


「あたしは少し疲れた感じですね。」


「あたしも!」


阿紗子に続き、あたしも返事をした。


あたしは本当はあまり疲れていない。


彼の授業の手伝いもなかったし、本当に良い授業であった。


「山野と滝沢は家帰ってから疲れるぞ?
皆、明日からの為にも今日から暫く早く寝ろよ?
じゃあ、お疲れ!」


「お疲れ様でした。」


「さようなら。」


「…明日からも宜しくお願いします。」


あたし達はそのまま真っすぐ家に帰った。