「それは…本心で言ってる?」 「はい。」 本心じゃないわけがない。 だってあたしはこんなにも… 「ありがとう。」 北条先生は笑ってくれた。 久々に笑顔を見た気がした。 「はい。 待たせて悪かったな。」 差し出されたメニューには、美味しそうなオムライスの写真が幾つも載っていた。 「ありがとうございます。」 今度はあたしがお礼を言った。 あたしは知らなかった。 メニューを見ているあたしを、彼は微笑んで見ていたなんて。