忘れなきゃいけない。


捨てなきゃいけない。


俺は自分に言い聞かせる。


想いを断ち切る事無しに、迷惑をかけない方法もある。


でも根本的な解決をしないかぎり、滝沢は俺に気を遣う。


「滝沢、滝沢が望むなら、担当の先生変える事は出来る。」


「え!?」


滝沢は酷く驚いたようだった。


「それくらい不快な思いをしても不思議じゃない。
本当に申し訳無い事をした。
勿論、俺からの頼みじゃない。
ただ…俺がこんな事言うの変だけど、滝沢がそれで少しは楽になれるならそうしてくれ。」


俺が決める事じゃない。


確かに、こんな俺が滝沢に何かを教える資格はない。


でも突き放すのは、教師としても人間としても無責任な事だ。