俺は振り返る。


「北条先生ですよね?」


「はい。
えっと…村田さん?」


「はい!
覚えててくれてたんですね!」


そりゃ覚えている。


今、二人について考えてたところだ。


「あの…もしお時間があるなら、飯でも行きませんか?」


そういえば、腹減ったな。


「行きましょうか。
この辺に良い店あるんです。」


気が付けば、俺は歩く方向を変えていた。


電車が発車する音を聞きながら、駅から遠ざかる。