やらなきゃならない仕事はあるが、急ぎのものは特になかったので、俺は帰る事にした。


「北条先生!」


里田だった。


今日も遅くまで戸田先生に扱かれてたんだな。


「お疲れ様です!」


「お疲れ様。
今から報告書?」


「はい!
戸田は鬼畜だから書く事いっぱいあります!」


「そうか。」


戸田先生は悪い人ではない。


寧ろ体育教師としては良い先生だと思う。


ただ、何故かは分からないが生徒に全く好かれていない。


しかもそこに全く気付いていない。


もしかしたら、その鈍感さが支持率を限りなく0に近付けているのかもしれない。


「書く事いっぱいなら良かったじゃないか。」


「そうなるんですかね…」


「物は考えようだ!」


頑張れよ、と言って、俺はその場を後にした。