「…ごめん。」


彼はあたしの腕を離すと、急いで階段を下りる。


先程から放置された段ボールを両方とも持って言った。


「もう、帰っていいから。」


彼は再び階段を下りた。


あたしは言葉の意味を理解するまでに少し時間がかかった。


帰る許可ではない。


帰らねばならないのだ。


あたしはフラフラといつもの部屋に戻り、荷物を纏め、報告書を書かずに学校を後にした。