「妃奈さん。」
みやびちゃんのお母さんがあたしを呼んだ。
返事もせずに顔を上げた。
「みやびを数日間泊めて下さってありがとうございました。」
「いえ、あたしはたいした事全然してませんよ。
それに、みやびちゃんと一緒に過ごせて楽しかったです。」
「妃奈ちゃん、本当にありがとう。」
みやびちゃんは笑顔でそう言った。
もうこっちに来なかった。
「もういいって!」
「よくないよ!」
「いいよ!
…ではあたしは…」
「車乗って帰ってね!」
歩いて帰ろうとした事はお見通しだったようだ。
「…いいの?」
「乗らなきゃ駄目!」



