みやびちゃんはあたしの手を引いて門の中へ連れていく。
申し訳なくて堪らない。
みやびちゃんが足を止めた。
車のライトが眩しいあたしはうっすらとしか目を開けられない。
「ママ…」
そこにはみやびちゃんのお母さんが立っていた。
みやびちゃんはあたしの手を離さなかった。
あたしに背を向けたみやびちゃんの表情は読めない
だが、それでも悲しい顔はしていない。
「…遅くなって申し訳ありません。」
「みやびちゃん…」
みやびちゃんはあたしの手を離した。
お互いに駆け寄る母子の姿が見える。
そこには優しい何かが流れていて、誰も入っていけない気がした。
結界が張っているのではなく、温かい繭に包まれているかんじだ。
あたしは映画のワンシーンを間近で見ているような気持ちになった。



