「妃奈ちゃん、高二の時の文化祭覚えてる?」
忘れるはずもない。
お姉ちゃんが凄い顔してたんだから。
「覚えてるよ。」
「玲奈さん、あの後妃奈ちゃんが学校行くの凄く嫌だったんだって。」
「あの人がいるもんね。」
「それもあるけど、ちょっとズレてるかな。」
「え?」
「確かにね、玲奈さんは妃奈ちゃんが北条先生と再会して、妃奈ちゃんが苦しむ事も心配されてたと思うよ。
でも玲奈さんが一番心配してたのは、北条先生と妃奈ちゃんの過去が公になって、妃奈ちゃんが虐められたり、学校で孤立しちゃうんじゃないかって事だっておっしゃってたよ。」
みやびちゃんはキャリーを引っ張りながら話を続ける。
「私のパパやママも同じで、私が如月家の跡取りである事を妬む人がいて、私が虐められるんじゃないかとか、逆玉狙ってる男の人に言い寄られるとか…
そういうの不安がってるっていうのが、玲奈さんの意見なの。」
確かに、みやびちゃんは就職したら目立つだろうな。
元々外で働かなくても十分食べていけるお嬢様だし、その上美人だ。
みやびちゃんを本当に愛していない男が、金目当てに結婚を申し込むなんて普通にありそうだ。



