そりゃ彼奴だって教師だ。


でもその前に人間だし、一人の男だ。


嫌いな生徒や好きな女がいて当然であろう。


だけどここは彼奴にとって職場だ。


そう露骨に表に出すわけにはいかない。


「…別に、普段通りだったと思うけど。」


本当に彼女が気付いてないのか、もしくは気付かないフリをしているのか。


又は俺に嘘をついてるのか。


俺は瞬時に答えを導き出した。


「認めたくない?」


「何言ってるの?」


「まぁ、彼奴のこと大好きならそれでも仕方ないと思うけど。」


「北条先生はそんな人じゃない!」


馬場ちゃんは俯いてしまった。


自分の中で地雷を見つけたのかもしれない。