「妃奈、体大丈夫なの?」


朝あたしの顔を見るなり阿紗子が言った。


「全然大丈夫だよ。」


「本当に?」


「本当だって。」


「よかった。」


昨日からあたしは病人扱いされている。


里田君も阿紗子と同じこと言ってくれた。


戸田に関しては、もしもの時は自分が担いで病院に連れて行ってやる、と言った。


健康に気をつけようと真剣に思った。


まぁ、それはいいのだ。


問題はこの男。


「滝沢、何かあったらすぐに保健室に行けよ。
授業中でも黙って教室出ていっていいからな。」


「ありがとうございます。」


今日の北条昴は素晴らしい程過保護である。


腫れ物に触るかのように接してくるのだ。