「以上をもちまして、今年度の体育祭を終了とします。」
あんなに盛り上がってた体育祭も、昼が過ぎればあっという間だった。
応援団のパフォーマンスやリレーといった体育祭の目玉行事も終わってしまえば、残すは閉会式のみとなり、それさえもただ今をもっておしまいだ。
「お疲れ様。」
あたしは阿紗子にそう言った。
「何言ってんの。
まだ片付けがあるでしょ。」
「そっか。」
普通の生徒はもう帰って構わないが、教職員にはまだ仕事が残っていた。
リレーで急遽走らされたあたしの頭には、そんな事すっかり抜けていた。
「滝沢!山野!」
呼んだのは、あたしを急遽リレーに出した張本人である。
そうだ、彼があたしに言わなかったからだ。
この学校ではお馴染みの、教師による“科目別リレー”に、実習生参加を伝えるのを忘れてたなんて。
「山野は向こうのテントの方を手伝ってくれ。」
「はい。」
阿紗子は目で「じゃあね。」というと離れていった。



