みーちゃんは自信満々としているが、彼女を昔から知っている身としては心配でならない。
事が事でなければ僕だって力になってあげたい。
いや、今だって助けになってあげたい。
でも。
「ねぇ、みーちゃん」
「何、夏君」
「やっぱり違う解決法はないのか?」
「ないよ。他の解決法なんて」
ルーズリーフを袋に戻しながら即答する。
選択肢がない。と言うより考える事さえ放棄したような感じ。
「例え他にも方法があったとしても、私はそれを選択する気はないよ。私はお義父さんをーー」
ーー殺す。
迷いのないみーちゃんのそれ。
僕は掛けるべき言葉が見つからなかった。
それとほとんど同時に玄関のドアが開く音がした。
「ただいま~」



