淡白な殺意がそこにあった。


シャープペンで書いたのだろう、あまりに細く汚い字が表す。


けれど濃厚な殺意。


コロンを挟んで隣には大ざっぱな殺害計画が書かれている。


『煙草の不始末に見せかけた焼殺』



……実際にはもっと中身はあるのだろうけど、あまりに漠然とした内容に絶句せざるおえない。


「……こんな適当な計画で、本当にやるつもりなのか?」


「実際はもっと綿密に考えてるよ」


「……綿密って、どの程度だよ?煙草の不始末に見せかけるってそうそう都合良く人は寝てくれない。何よりお前自身もその場にいる事になるんだぞ?」


「だから。それも全然問題ないよ夏君。全部ちゃんと考えてる」


「……」