何度か使われたんだろう。既にテープ部分には埃が付着しまくっている。
単刀直入に言うのなら汚い。
まぁ汚いのは、使っていれば仕方ないけど。
一応女の子なんだから……。
なんて心の内で言ってもしょうがない。
幼なじみとしてはもっと気を配って欲しいけどさ。
「これ、見てほしいんだけどさ」
八幡はルーズリーフの中から一枚取り出しそれを僕に手渡す。
渡されたそれ。
ルーズリーフの上部にはこう書かれている。
『義父殺害案』と。
僕はその表題に目を通し、ルーズリーフをテーブルの上に置いた。
驚きは、そんなになかった。
何となく予想は出来ていた。最初から。
八幡が正門前で僕を待っていた時から。そんな予想はしていた。



