「何よ。私が突然懐古主義に転じたらダメだって言うの?」
「ダメではないけど、だったらなんで無理やり話をすり替えようとした」
「結局ダメだったじゃない」
「当たり前だ。何であの強引な流れでイケると思ったんだ」
「だってほら。夏君てば何だかんだでなかなかバカでしょ」
どうしよう。コイツ頭叩きつけてもいいかな。いいよね。神様も見逃してくれるよね。
取りあえず一発ひっ叩いておいた。
「痛いよ夏君!?冗談が通じないよ夏君!?」
「そうだね。僕は冗談が通じないね。で、なんで八幡は僕の家に寄ったんだよ」
八幡は「うぅ。夏君の現代っ子」とぶつぶつ呟きながら、自分の鞄をガサガサ漁り何かを探す。
「あ、あったあった」
八幡が取り出したのは、市販されているルーズリーフ何枚か詰めで入った袋。
無論、新品ではない。



