「ふ~ん。うまいこと夏君は青春してるねぇ」
「青春、ねぇ」
……なんか違うような気がする。
少なくとも僕が思い描いた青春図とはかけ離れてるのだけど。
「いいなぁ夏君。私なんてご覧の通り青春ニートだよ」
「なんだよ青春ニートって」
「青春とは無縁の、私みたいな省かれ者の事だよ」
「スゴくわかりづらい。変な言い回しするなよ。大体だなお前もお前で自分から友達を作りにいけよ。作りに行かないくせに友達がいないとか言うな」
八幡は頬を膨らませ不満を面に出す。止めろ腕を引っ張るな、歩きづらい。
「だって、そんな事言ったって私なんて中学時代の事があるから」
「……あ」
しまった。
そう、心の中で呟いた時には既に後悔が体を駆け巡っていた。



