夜の暗さに、真っ黒に塗りつぶされた校舎を抜け。


申し訳程度にしかないガス灯に影を伸ばし、正門に。っあれ?


正門に誰かいる。多分、女子。


「夏君」


「……は?」


心臓がビクンと跳ねた。


ような気がした。実際心臓が跳ねたら死ぬんじゃないかな。


「え、なんで八幡。まだいるの?」


近づけば近づく程、スゴく見慣れたシルエットになっていく。てか、あ~紛れもなく八幡だ。


「なんでいるのって、夏君は酷すぎ」


酷いかなぁ、僕。


「夏君に連絡したけど返信なかったからずっと待ってたのに……」


「いやそのまま帰るよ。普通」


「普通なら、でしょ。私は実は普通ではないのです」


そんな薄い胸を張られても。


けど、まぁ一人で帰るよりかは誰かと帰った方が良い……よなぁ?