あのバカ。とは三年の先輩である名取を指す。


ことある毎に僕や大友。もしくは二年にイチャモンを着けてくる面倒な先輩だ。


もちろん評判は芳しくない。ついでに言うなら実力も芳しくない。


「なんか文句があんなら実力で俺に勝ってからにしろ。ってんだよ」


「まぁ、無理な話しだろ」


名取とは対照的に大友はといえば相当な実力者だ。


種目は短距離。百、二百。


それにたまに四百にも出る事はあるが、主戦場は基本的に百メートルだ。


中学時代には、その実力は既に全国区だった。


僕とは種目距離が違うが、一ランナーとして尊敬している。


ランナーとしては。


「ダメだぁ…。コーラ飲んでも腹一杯にはならねぇよ」