「うん!…ありがとう」 濡れないように、ひとつの傘に入るふたり。 触れ合う腕が熱くなる。 徐々に濡れていく翔太の左肩。 「寒くない?」 「今は4月だろ」 「だって雨だし…」 「んなのどーってことねーよ」 「ありがとう…」 沈黙が流れ、雨の音だけが響く。 試合の応援や歓声も好きだけど静かな空気もいいもんだな…。 「ありがとう。じゃあ…」 家に着き、するりと傘から抜け玄関の屋根に入る美夏。 「おう」 触れ合っていた右腕に寂しさだけが残る。 家に入り、和室の仏壇に手を合わせた。