「灘くん、果澄に一目惚れしたのかなあ…」 いつの間にか、俺の隣に立っていて、ぽつりと呟く美夏。 「そうなんじゃねーの?」 違うけど。 「果澄、可愛いからねー」 美夏の方が可愛いけど。 「翔太も、果澄のアドレス聞かないの?」 「聞かねーよ。…興味ねーし」 「そうなんだ!」 美夏の声が若干、明るくなったのは気のせいだろうか…。 「おはよー。席着いてー」 若い、女の先生が入って来た。 担任と俺たちの軽い自己紹介が終わり、入学式があるから、体育館へ。