華〜ハナ〜Ⅱ【完】




槇原はとうぶん起き上がれないだろうけど、ここにそれ以外の人がいないとは考えにくい。


見つかった場合、何かと困る…



風を使うことも考えたが、今の状態でいつものように使うことは出来ないだろう。


それに多分、窓すら開けられない。


風も荒れているかもしれない。




「はっ…はっ………」


空気を口に含んでも、肺に入っていかない。



酸欠状態だ。

しかも頭痛はだんだん酷くなる。




もう頭が割れたのかもしれない…


私ですらそんな非現実的なことを考えてしまうほどだった。




誰か…助けて――――



酸欠で、意識は段々と途切れていった。