槇原はとうぶん起き上がれないだろうけど、ここにそれ以外の人がいないとは考えにくい。
見つかった場合、何かと困る…
風を使うことも考えたが、今の状態でいつものように使うことは出来ないだろう。
それに多分、窓すら開けられない。
風も荒れているかもしれない。
「はっ…はっ………」
空気を口に含んでも、肺に入っていかない。
酸欠状態だ。
しかも頭痛はだんだん酷くなる。
もう頭が割れたのかもしれない…
私ですらそんな非現実的なことを考えてしまうほどだった。
誰か…助けて――――
酸欠で、意識は段々と途切れていった。



