お腹辺りに、何か冷たいものを感じる。

――血?


視界は覆われていて何も見えないけれど、臭いで分かる。


多分、血だ……



「……侑希…逃げ……ろ…」


ドスッ…


「………ううっ…」



耳元で聞こえていた声も途切れて、私を包んでいた力も抜ける。



……蓮士?

死ん…だ……?




「おっと……!しっかりしな。」


どこかで聞いた声。



「あんたは大丈夫だろ?オヒメサマ。」


槇原…………